美しい景色を探すな。
景色の中に美しさを見つけるんだ。
なんだかドキッとするこの言葉。
大学教育に携わる私は、「リーダーシップ」や「キャリア」をテーマとした講義の中で、ときどきこの言葉を紹介する。
変化の激しい現代に必要なのは、与えられるのを待つことではなく、
今あるものに意味を見出し、自ら探していく姿勢。表層的な情報に流されるのではなく、自分の内側にある種を育てていくスタンス。
——そんな現代を生き抜くヒントがこのメッセージに含まれているような気がするのだ。
言葉の主は、フィンセント・ファン・ゴッホ。
1880年代後半、ゴッホは、弟テオへの手紙の中で「ありふれたものの中に美を見出す」ことを繰り返し語っていた。自分が「美しい」と信じるものを描き続けた——そんなゴッホらしい言葉である。
芸術家は、なんてストイックで、なんて尊い職業なのだろうと思う。
だって、表現に正解なんてないのだから。
師や仲間から影響を受けながら、
ときに時代に抗いながら、
人生をかけて自分だけの表現を探究しつづける。
それは、果てしない挑戦だ。
私は芸術家ではないけれど、彼らの作品と人生にとても興味がある。
なぜなら、その歩みには、「複雑で変化が激しく、答えの見えにくい現代」を生きる私たちへの示唆が詰まっているように思えてならないから。
*
……と、知った風に語ってしまったけれど、、、(笑)
かくいう私は、西洋美術に触れたのはほんの3年前。(めっちゃ最近ですね…)
そのキッカケは、20年来の友人・田嶋樹哩が立ち上げた「ArtLOVER 」というコミュニティ。
アート好きが集うオンラインコミュニティであり、メンバー同士が学び合い、感性を育んでいく場である。
先ほど紹介したゴッホの名言も、ArtLOVERの館長(と呼んでいます)である彼女による「オンライン美術講座」や「美術館ツアー」の中で出会ったもの。
ArtLOVERのおかげで、芸術家の人生を通して作品を見ることで、その背景にある哲学や想いを想像でき、鑑賞に奥行きがでることを知った。
*
知ることは愛すること
すてきな言葉ですよね。
こちらは、ArtLOVERのコンセプトであり、館長 田嶋樹哩 が大切にしている思想。
もとをたどれば、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最も高貴な娯楽は、理解する喜びである」という一節に由来している。
この3年で、私はアートをぐっと身近に感じるようになり、絵画や写真、舞台や建築など、多様な芸術表現に触れる機会が増えた。
知ることを楽しむと、自分が”ちょっとだけ”豊かになる。
そんな自分が好きだし、一緒に分かち合える仲間のことも好き。
その循環こそが、「知ることは愛すること」なのだろうなあ、と感じている。
先日、ArtLOVERの仲間たちと歴史的建築「葉山加地邸」へ訪問した際の一枚
自分だけの“美しさ”を信じ、軽やかに幸せに生きる人を、この社会にもっと増やしたい
こちらは、館長・田嶋樹哩がつねづね発信している言葉。
そして彼女自身が、その体現者でもある。
思い返せば20年以上前から、彼女はこの生き方を実践していた。
時を重ね、経験を重ね、表現する技術や機会も増え、そのセンスはますます研ぎ澄まされている。
自分のStyleをしっかりと持って生きる、自慢の友人だ。
そんな彼女が、この秋、人生最大のチャレンジをする。
『モネ思考 - いつもの景色が“傑作”に変わる幸せの習慣 - 』の出版プロジェクト。
西洋美術をこよなく愛し、「美しさ・豊かさ・喜び・本当の愛」をピュアに追い求めてきた彼女らしい挑戦。
ところで、
数いる芸術家の中で、なぜ、「モネ」なのでしょう?
それは、モネの生き方、その「思考法」こそが、
情報過多の時代に自分を見失いがちな私たちにとって、かけがえのない新しい「幸福論」になる。
そう確信したのです
19世紀後半のフランスは、これまでの「ひとつの正解」が大きく揺れうごいた時代。
モネたち「印象派画家」は、当時の“正解”とされたアカデミズムの”価値観”に寄りかかるのではなく、ただひたすらに、自分が「美しい」と感じるものだけを追い求めた、とのこと。
加えて、モネは直感に任せただけではなく、
同じモチーフを何度も描き、時間や光の変化を徹底的に観察する「探究心」を兼ね備えていた。
チューブ絵の具という新しい技術を柔軟に取り入れるなど、「感性」と「知性」を行き来しながら、自分だけの美学を築いたのだという。
なるほど。
彼女が描くArtLOVERの世界観は、このモネの精神から育まれてきたのだな、と腑に落ちる。
*
今回のプロジェクトページを初めて見たとき、「うぉ!」思わず声が漏れた。
デザイナー田嶋樹哩の想いが、ページからぶぁーっと溢れ伝わってきたのだ。
私は、このページを、多くの人に観てもらいたいと思う。
そこには、彼女がこれまで大切にしてきた「美しさ」や「生き方」がぎゅっと詰まっている。
そして、ページを眺めながら、プロジェクトの背景や想いを味わってほしいと思う。
この世界観に触れたとき、あなたは何を感じるのだろう?
率直なあなたの声をぜひ聞かせてほしいとも思う。
もし、心に響くものがあったなら、
この挑戦を一緒に広げる仲間になってください。
モネの眼差しの先には、きっと私たちが見過ごしてきた「美しさ」が潜んでいる。
それを見つけるきっかけを、この本はもたらしてくれるはずだ。
= お わ り =
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