リンゴを見て、セザンヌを思い出す。
スーパーの青果コーナーでセザンヌを思う日が訪れるなんて…。西洋美術に疎いわたしにとって、これは驚きの変化だ。
ArtLOVERに入って半年。
ふとした日常にもアートを感じる瞬間が増えてきた。
とりわけ、毎月開催されるオンラインの美術講座から受けた影響は大きい。
この講座は、ゴッホ・モネ・セザンヌなどの画家や、ギリシャ神話・キリスト教のようなキーワードを取り上げ、館長( @樹哩 さん)が資料を用いて解説してくれるというもの。
クスッと笑えるカジュアルさもありながら、見終わったときの満足感はかなり高い。
一人の画家を取り上げるにしても、時代背景・ルーツ・表現技法・人間関係・そして代表作など、画家を取り巻く基本情報を紹介してくれる。
画家の人生と作品は、表裏一体。
そのときの心情や価値観の変化は、作品の表現の変化として表れますよね。
何を思い、何を考え、表現したのか。
この答えのない問いに思考を巡らせながら、アートに触れるのはとても楽しい。
初めての美術館ツアー、 湧きあがる感情
ある日、ArtLOVERに新たなイベントが立ち上がる。
MUSEUM TOUR at エゴン・シーレ展&ランチ会
1)事前にオンラインの美術講座で「エゴン・シーレ」「グスタフ・クリムト」を学び、
2)東京都美術館にて「エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才」を鑑賞し、
3)美術館内のレストランでランチを楽しむ
というもの。
正直なところ、美術館はひとりで行きたい派。
でも、アートに詳しい人と一緒に行くのは楽しそう。
とは言え、知らない人たちと鑑賞するのはちょっと不安。
アレコレ葛藤しながらも、一度行ってみよう!と美術館ツアーに参加することを決めた。
結果、美術館ツアーは 想像をはるかに超えて良かった。
事前に、エゴン・シーレやグスタフ・クリムトについて学べている効果は絶大だ。
シーレが生きたウィーンの時代背景、
幼少期や家族との関係、
クリムトをはじめ影響を受けた画家、表現技法。
そして、戦争を機に変化した彼のアイデンティティ。
シーレの28年という短い人生に濃縮されたストーリーを予習していたことで、
彼の作品を点ではなく線で捉えて理解ができた。
シーレの成熟した精神性と、冴えまくるドローイングの技術力が詰まった作品の数々。
ウィーンが生んだ若き天才の凄みを存分に感じることができた。
背景を知っていると、1つ1つの作品に愛情が込み上げてくる。
加えて、湧きあがる感情をArtLOVERのメンバーと分かち合えることもうれしい。
美術館ツアーのおかげで、深く、愛情をもって、作品を味わえた気がする。
※トップ画像は、撮影OKだったエゴン・シーレの作品「モルダウ河畔のクルマウ(小さな街IV)」
美術鑑賞と「3つのアプリシエイト(appreciate)」
英語で「鑑賞する」を意味する「appreciate」を辞書で調べると、
次のように書いてある。
appreciate(アプリシエイト)
鑑賞する
良さが分かる、真価を認める、称賛する
ありがたく思う、感謝する
つまり、「鑑賞する」と「良さが分かる」と「感謝する」は 関連している行為ということ。
これ、すごくしっくりくる。
今回 美術館ツアーで体験したのも、まさにこの3つの「appreciate」だったからだ。
時代背景や画家の人生を理解して美術鑑賞をすると、作品の良さがより分かる。
画家にも作品にも、愛情・尊敬・感謝の気持ちが湧きあがる。
さらに、この貴重な作品を現代まで大切に守ってきてくれた美術館や関係者の方々にも感謝の気持ちが湧きあがる。もちろん、ArtLOVERのメンバーにも。
芸術を鑑賞するということは、その作品の素晴らしさを感じて感謝をするということ。
ただ、そのためには作品を深く理解するための知識と想像力が必要だ。
ArtLOVERの講座やイベントは、まさにそれらを補ってくれる。
事前知識のインプットと、メンバー同士の分かち合い。
アートに詳しい人も、そうでない人も、
多様な視点・感性を学びながら作品に「appreciate」する。
これって、一人じゃできないことだ。
美術館ツアーを体験し、
改めてアートをコミュニティで楽しむ意義を感じた。
一人もいいけど、仲間と一緒にアートに触れるのも楽しい。
当初の不安や葛藤は、もうなくなった。
よし、また美術館ツアーに参加しよう!
ちなみに次回は、
3/31(金)の「MUSEUM TOUR at ルーブル美術館展LOVEツアー&ランチ会」https://artlover.life/events/b29bdf3856c9
現在、ArtLOVERでは、3期生を募集中(4/19まで)。
無料参加可能なオンライン美術講座などイベントもありますので、ぜひチェックください。
https://artlover.life/about
おまけ:
こちらは、エゴン・シーレ展コラボランチのデザート。美術館内レストラン「サロン」のランチは、美味でした!ご一緒した9名のみなさま、ありがとうございました〜!