「アートが、好きなんです」

このセリフを堂々と言えるようになったのは、最近のこと。

昔から、美術館やギャラリーへ足を運ぶのは好きだったけれど、
美術史は知らないし、美術館にも詳しくない。アートを語るほどの知識も実績もない。

こんな状態で「アート好き」なんて言ったらバチが当たるんじゃないかと(笑)
謎に、勝手に、自信を失い、遠慮してしまっていたのだ。

そんな中、20年来の友人である  @樹哩 さんが、「ArtLOVER 」というオンラインサロンを立ち上げた。

知ることは、愛すること。


を コンセプトに、西洋美術をはじめ、さまざまなジャンルのアートや文化に触れながら
自分の「好き」を探求し、分かち合うコミュニティ。

これなら参加できるかも!と期待を胸に、
2022年9月10日、ArtLOVERのメンバー(通称 LOVER)の一期生となった。

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LOVERたちと、大塚国際美術館(徳島県)へ訪問したときの一枚

あれから二年。
ArtLOVERを通して、自分の「好き」にたくさん向き合った結果、気づいたことが一つある。

美術史は知らないし、美術館にも詳しくない。アートを語るほどの知識も実績もない。


そんなことは、どうでもよかったのである。

自分の「好き」な気持ちに、正直に、ただただ向き合う。
そして、誰かと「好き」を分かち合う。


そこに、知識とか情報とか論評は、不要。

なぜなら、
好きの気持ちが溢れた瞬間は、言葉がなくたって
不思議と相手にも伝わり、分かち合うことができるのだから。


アートの知識を身につけることは、「好き」を見つけたその後にいくらでも出来ること。
だから、知識や実績を理由にアートを遠ざけてしまうのは、たぶん順番が違うと思うのだ。



この感覚を、どう表現したらいいものかーーーーー

と、しばらく悩んでいたのだが
その答えは、原田マハさんの小説『リーチ先生』の中にあった。

好いものは、好い    (よいものは、よい)


陶芸家である主人公のバーナード・リーチ先生が、繰り返し発するこの言葉。
物語の中でも、印象に残るフレーズだ。

ほんとうに好いものに出会ったとき、先生はただひたすらに「好い」と言う。
短くも、情熱のこもったこの一言は、
シンプルであるからこそ、真っ直ぐに、読み手の心にも届く。

西洋だろうと、日本だろうと、関係ない。好いものは、好い…。


何かと何かを比べて論じる必要もなく、
唯一の正解があるわけでもなく、

ただただ、自分にとって「好いものは、好い」。


それだけ。

うん、それだけで、充分じゃないか。

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LOVERの @Tommy S. さん、素敵な本のご紹介くださりありがとうございました!


好いものは、好い。
好きだから、好き。


この内から溢れるピュアな気持ちを
味わって、表現して、分かち合う機会というのは、ほとんどない。

仕事や家事をしていると、特にそう。

クライアントのご意向にそっているのか?
上司やメンバーが納得するのか?
家族のためになっているのか?

わたしたちの日常は、
自分以外のことに左右され、気を取られ、支配されてしまいがち。

だからこそ、自分の「好き」にピュアでいられる時間は尊い。

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「自分の好き」を友人と分かち合う瞬間。この時の溢れる喜びは、言葉がなくとも伝わってくる。こちらはLOVERの @言海祥太 さんが撮影。ありがとうございます!



写真家の星野道夫さんの著書『旅をする木』に、大好きな一節がある。

いつかある人にこんなことを聞かれたことがあるんだ。

たとえば、こんな星空や泣けてくるような夕陽を一人で見ていたとするだろ。
もし愛する人がいたら、その美しさやその時の気持ちをどんなふうに伝えるかって。

その人は、こう言ったんだ。

自分が変わってゆくことだって……
その夕陽を見て、感動して、自分が変わってゆくことなんだと思うって。


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言葉にできずとも、
感じた気持ちを忘れずに、自分の一部に残しておく。

その存在が、きっと、自分を少しだけ変えてくれるのだ。

日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、それは、天と地の差ほど大きい。


わたしたちが仕事や家事で慌ただしく過ごしている今この瞬間にも、
世界には、美しい夕陽や、美しい名画や、美しい音楽が存在している。

それを知っているということが、大切なのだと思う。



この二年を振り返ると、ArtLOVERのおかげで、たくさんの作品、風景、文化芸能、そして仲間に出会うことができた。
一人で過ごしていたら、絶対に出会うことがなかったであろう世界。

ああ、この世界には、
わたしにとっての「好いもの」「好きなもの」がまだまだたくさん存在しているのね。

そう思えたとき、二年前の萎縮していた自分の呪縛は完全に解き放たれた。


ありがとう、ArtLOVER。
わたしは今、大好きなアートを心から楽しめています。

そして、二周年おめでとう〜!



この度、二周年を記念して、
ArtLOVERの世界観を体感いただけるスペシャルなイベントを開催いたします!

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【2nd Anniversary】ArtLOVER文化祭2024「i know」

昨年に続く、文化祭第二弾。
ArtLOVERのメンバーが、自分の「好き(愛)」をテーマに作品をクリエイティブし、
グループ展やワークショップを通して、みなさまにお披露目します。

内から溢れる「好奇心」や「感性」を分かち合う空間は、ピースフルで、あたたかく。
ポジティブなエネルギーに満ちています。

どなたさまでも、きっと楽しんでいただけるはず。
ぜひ、ArtLOVERの世界観を体感しにいらしてください。

お会いできること、楽しみにしています!

お申し込み・詳細は、こちらからどうぞ。
https://artlover.life/events/58528b3c3578


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・昨年の文化祭の様子はこちら

・過去のコラムはこちらをどうぞ

ArtLOVERの活動を楽しむなかで、
結果的には、美術史や美術館やアートの知識や経験も、実は、少しずつ増えてきております☺︎




最後までお読みいただき、ありがとうございました!