むかしむかし、識字率が圧倒的に低かった時代に、『キリスト教』の信仰が瞬く間に世界中に広がったのは、なぜか?

21億7,000万人


これは、世界中で『キリスト教』を信仰する人々の数。世界の総人口の3分の1にあたります。民族・人種を超えて、時代を超えて信仰が広がり続けているのは、なぜか?

幅広く、大多数の人に認知され、受け容れられる。


ご自身でビジネスや何か活動されている人であれば、社会に伝えたい想いがある人であれば、是非とも学ぶべき『キリスト教』というマーケティング手法

今日は、ArtLOVER的『キリスト教芸術×マーケティング論』の前提として、【神話と宗教】について、ざっくり解説させていただきます。


「神」の存在、神話の価値。

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なぜ「神」が存在するのか?

そもそも、「神」は生まれたのか? 
それとも、最初から存在していたのか?


まず前提として知っておいていただきたいのが、「神」と「神話」について。

むかしむかしの人間は、大雨や雷、洪水などの自然現象がなぜ起こるのか?自然についての知識がありませんでした。そこで、何か恐ろしい「偉大な存在」が自然の秩序を操るものだと信じることにしました。

そうして世界に「神=人の上に立つ存在」が生まれ、言語が発達し、それが「神話」となったのです。

ではでは、どこからその「神」が生まれたのか?
大きく2つの説があります。

① 最初から「神」がいて、カオスから自然と人間を創造した説
② カオスが最初にあり、そこからまず神が創造され、次に人間が創造された説


世界各地の神話に共通するのが、宇宙や自然、人間が創造される以前の世界=太古は『混沌(カオス)』だったということ。

どちらの説だったとしても、混沌=カオスから「世界を整理」するために「神」が創造され、あらゆる自然現象はすべて「神」によるもので、「神」が人間を創造した。というのが「神話」なのです。

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たとえば、ギリシャ神話。
そこには、いろんな役割を持つ「神」が数多存在する「多神教」であり、そのすべての神が「人格神」なのです。

人格神…
人間性をもつ超越的存在。知性・情念・意志を兼備して、人間とかかわりをもつとされ、霊と比べて個性がはっきりしている。


人間は今も昔も「目に見えない存在」は理解しがたいもの。

ギリシャ神話の神々は、人間が想像しえない「見えない存在」ではなく、「人格神」として想像できる=見える存在という設定なのです。

その神々のエピソードや言葉によって「こうすれば良いことが起こる」「こうすれば悪いことは起こらない」という『秩序』を学び、信じることで不安を解消し、豊かに生きることができたのです。

そうして、ギリシャ神話は、西洋の人々にとって精神性、思想や芸術のインスピレーションの源となっていったのでした。


「宗教」の始まり。

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しかし知識と想像力が高まってきた人間にとって、神話の神々は、役割ごとに複数存在するものだから、「影響力」としてはちょっと弱い。

世界という共同体を維持するためには、もっと強い「秩序」が必要となってきたのです。


そこで、ユダヤ教の始まり。

多様な民族から成っていたローマ帝国を精神的に統率する方法として、ヤハウェという「唯一神」の絶対的象徴が必要でした。つまり「一神教」。

ユダヤ民族は、多様な民族=育った環境が異なる人間を統率するために「唯一神」ヤハウェを創造し、ユダヤ教を「世界宗教」にして、世界を統一しようとしたのです。

しかし、多神教であり人格神を信じるローマの精神世界では、目に見えない「唯一神」の存在は受け入れられず、多神教と一神教の衝突が起こってしまいます。

また、ユダヤ教はもともと「ユダヤ人によるユダヤ人のための宗教」だったため、「世界宗教」化するには、あらゆる矛盾や問題があったのです。


そして、キリスト教。

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そこで、世界の人々を一つにまとめるためには、

✓ 育った環境が異なる人間をも統率できる秩序
✓ 多神教の神々よりももっと上位の象徴的存在
✓ 目に見える存在=「人格神」
✓ 絶対的な「唯一神」


これらの要素を併せ持つ「圧倒的カリスマ」が必要不可欠。そうして生まれたのが、イエス・キリスト率いる「キリスト教」なのです。

キリスト教は、ユダヤ教から派生した宗教であり、イエス・キリストは、ユダヤ教の唯一神ヤハウェの子であり代理人であり、目に見える存在。

多神教を信じ人格神を重んじるギリシャ神話派にも、唯一神・絶対神を信じるユダヤ教にも(少し時間はかかったものの)受け入れられたのでした。もうばっちり。


ちょっと小難しい話になってしまいましたが、まとめます。




ArtLOVER的『キリスト教芸術×マーケティング論』の大前提として、

マーケティング的に必要なのは、「神話」ではなく「宗教」


「宗教」というとちょっと抵抗があるかもしれませんが、本来宗教は人間を騙すものや「悪」ではありません。

幅広く、大多数の人に認知され、受け容れられる。


あなたが心から良いと思うサービスや商品、思想を、広く深く、たくさんの人に知ってもらいたいと願うのであれば、キリスト教という宗教から学ぶ要素が必ずあるはず。


次回は、
ArtLOVER的『キリスト教芸術×マーケティング論』Vol.2:6つのポイントを解説しますね!お楽しみに。(ArtLOVER限定公開)


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